カンボジア政府公認:日本語観光ガイド・コサル

遺跡に刻まれた”消された歴史”

カンボジアで遺跡巡りをしていると、上記の写真のような不思議な光景に出会うことがあります。勘の良い方は違和感を感じるかもしれませんが、なんの知識もなしに見ていてたら、疑問も持たずに通り過ぎてしまう光景かもしれません。これは、かつて観音菩薩が彫られていた壁面でした。しかし、観音像の部分だけが削り落とされ、まるで“消された存在”のように跡形もなくなっています。

どうしてこのような酷いことが起きたのか?それは、時代ごとの宗教の交代によるものです。ヒンズー教が主流となった時期に、仏教の象徴である観音の像が削られたのです。遺跡は単なる石の彫刻ではなく、そこに生きた人々の思想や歴史を映す鏡なのです。消された観音様の向こうに、当時の権力者の思いが垣間見えるようです。

遺跡巡りも、こんなストーリーと共に訪れることで、今後の人間の生き方に、何かヒントを与えてくれる教訓となるかもしれません。


気軽に遺跡のストーリーを楽しむツアーは、以下のツアーが便利です。

半日ツアー 1/2D-SUN-R
半日ツアー 1/2D-SUN-S